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開始1分半、フェイントに動じない国分に対して業を煮やした榎戸が前へ出
る。しかし、そこをうまく捉えた国分の上段打ちが極まって、まずは国分に1ポ
イント。その後、膠着状態が続き、残り時間30秒のところで前蹴りを放つ榎戸だ
ったが、これも見事に出合いを捉えた国分が再び上段打ちで一本!3−0と国
分大きくリードを奪う。榎戸も残り5秒で中段突きを極めて1ポイントを返し、
立て続けに一発逆転の大技狙いで上段裏廻し蹴りを放つが、これを足払いで崩し
た国分が上段廻し蹴りを極めてダメ押しの一本!そこで時間終了となり結果、
5−1で国分が2年ぶり2度目の優勝を飾った。
「前年では準決勝で負けていたが、こだわりはなかった。蹴りがくると予想していたので、さがったらやられると思ったので前へ出ていった」と国分。一方の榎戸は「緒戦はポイントを先行されても取り返していけたが、決勝では取り返せなかった。見合ってしまったので、終始相手のペースになってしまった」と敗因を語った。

 

■女子組手 米田由公子、2連覇達成!!■

 

米田由公子、若手を千切っては投げ

 

女子では前年優勝の米田由公子(大阪)が着実に駒を進める。「試合前はすごく緊張した」という米田。組み合わせでは初戦(2回戦)で母校・日本大学の2年生で今年度の学連関東大会の優勝者である菱谷梨江(東京)と対戦。順当にいけば3回戦では同じく母校・日本大学の2年生で今年度の学連全日本チャンピオンの三谷理絵(学連)と対戦することになる。いかに後輩といえども、かなりの強敵である。
しかし「後輩だからといって中途半端な気持ちで受けにまわってはこちらがやられてしまう。自分から思い切り行ってやろうと思った」という米田は2回戦の菱谷、3回戦の三谷ともに貫禄の6−0で除して4回戦に駒を進める。負けた菱谷は「強いの一言。でもいつかは米田先輩を越えてみたい」、また三谷は「米田先輩は一番尊敬する人。棒立ちのまま、あっという間に6つ取られてしまいました」と語る。
これで緊張がほぐれたという米田は4回戦で、これも強敵・鍋城泉(埼玉)と対戦。鍋城は現在、福岡大学の2年生で昨年の東京世界女子選手権の優勝者でもある。米田はここで慎重になり、なかなか攻めきれないまま1−1で延長にもつれ込む。鍋城には日本テレビのニュース番組が取材に駆けつけていただけに、是非とも優勝で華を添えたいところだったが、非情の米田の上段突きがその夢をもろくも打ち砕く。
辛うじて鍋城をかわした米田は準決勝進出。ここで米田を待ち受けていたのが、高校2年生ながら流派の全国大会で優勝し、ナショナルチーム入りを果たしている奥田優子(大阪)。奥田は初戦(2回戦)でインターハイチャンピオンの渋谷朋美(高体連)、3回戦で福島礼子(茨城)を破り、4回戦の土屋舞(新潟)には6−0の圧勝で準決勝進出を果たす。

 

 

 

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